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2009年10月

2009年10月26日 (月)

「教会便り」(09年7月から)

(2009年7月の「教会便り」、【牧師室から】を転載します。…ブログ担当者)

「感謝夫人」

今は亡き三浦綾子さんのエッセイ集に『忘れえぬ言葉』というものがあり、その中に「長い雨で感謝だと思っています」という一編があります。
それは彼女の母の知人で、周囲の人たちから感謝夫人と呼ばれている女性について書かれたものです。
この女性はありとあらゆることに対して「ありがたいことですよね。神様に感謝ですよね」と言っていたそうです。
ある年のこと、季節外れの長雨が続き、10日、20日と雨が降り続き、いっこうに止む気配はなく、人々は「困った雨ですね」という言葉をあいさつ代わりにしていました。そんな最中、さすがにこんな状況になると、感謝夫人も今回ばかりは「困ったことですよね」と愚痴を言うのではないか――そう思った人が、少々意地悪な興味も手伝って、感謝夫人を訪ねて行ったそうです。そして会うなり「なんと長い雨ですこと、困ったものですわね」と言ったそうですが、感謝夫人はそれでも「ありがたいことですよね。神様に感謝ですよね」と言ったそうです。
その理由として感謝夫人は「長い雨で感謝だと思っています。こんなに長くつづく雨が、もし一度にどっと降ったら、たちまち洪水になって、家も畑も、みんな押し流されてしまいますよね。神さまはその大雨を長い日数に分けて、こうして毎日少しずつ降らせて下さっているのですよね。神さまに感謝ですよね」と答えたそうです。

「三浦綾子さん」

そのエピソードの後、三浦綾子さんは「私は脊髄カリエスで10数年悩んで苦しんできた。神様は限りない優しさを持ってこの痛みを10数年に分けて与えて下さったのだ。ありがたいことだ。もし症状が一度に悪化すれば、耐え切れるものではない。本当に神様に感謝だ。確かに長い病気ではあったが、父母がいて兄弟がいた。友人たちがいた。…感謝すべきことはたくさんあった」と述べています。

「ものの見方を変えてみる」

私たちも人生に起こる苦しみ、悲しみに対して、「こんなに長くつづく苦しみが、もし一度にどっときたら、耐え切れるものではない。神様は限りない優しさを持ってこの苦しみ、痛みを10数年に分けて与えて下さったのだ。ありがたいですね。神さまに感謝ですよね」という捉え方をしたいものです。
このことは大変、実践的には困難ですが、私達も時間をかけて少しずつ、ものの見方、捉え方を変えていきたいものです。

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