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2017年7月 1日 (土)

教会便り 7月号

期待と裏切り

 司祭 セバスチャン 浪花朋久

誰かからの期待を一身に背負いながら生きることは思いの外困難です。その期待は自分から出てきたものではないのに、少しでも相手からの期待を裏切るような行為をしてしまうと「裏切り者」として恨まれてしまいます。一方で、期待に応えないことが正しい選択肢である場合がありますが、正しいことを行っているのに、相手が自分を恨み続けるという矛盾が起こることがあります。

期待外れの旅

旧約聖書『出エジプト記』に、モーセという指導者が神様からの声を聞いて、エジプトで奴隷として苦しめられていたユダヤ人60万人をユダヤ地方へと導くという物語があります。神様は、神様と人々が一緒に喜び合える世界を実現してくれることを期待して、エジプトからユダヤ人たちを救出しました。しかし、エジプトからユダヤまでの旅路は荒野を行く険しい道のりです。ユダヤ人たちは、エジプト脱出という神様からの恵みを受けながらも奴隷から解放された後も続く困難に不満を感じ、「自分たちに自由を与えてくれる」という神様への期待が裏切られたと感じたのです。ユダヤ人たちは「奴隷だった時の方がよかった」と、今の苦しみから逃れるために昔の方がよかったという不満を漏らし、果ては自分の理想を叶えてくれると思い、自分たちの力で新しい神様を造ろうとするくらいです。不満の声が上がる一方、神様はモーセを通してユダヤ人たちに食料や水を与えられますが、いつまでも続く旅に、ユダヤ人たちは「エジプトにいた時の方が良かった」と不満を漏らします。そのため、彼らは神様からの恵みをも受け入れられない状態です。しかし、神様はどれだけユダヤ人たちにご自分の期待を裏切られ、不満を言われ、時に罰することもあったとしても、最後の最後までユダヤ人たちを守り続け、40年の旅路の末に彼らをユダヤ地方へ導かれました。

本当の期待

人間は他人に期待しながらも、その期待が応えられないと怒りと恨みがこみあがってきます。しかし、神様が人間に期待しているのは、神様の利益のためではなく、人間の未来のためです。一方で、私たちの期待とは一体誰のために、そして、何のためのものなのでしょうか。未来のために与えられている期待、これこそが私たちの人生をより良く生きるために必要だからこそ、神様が与えてくださるものなのです。未来のための期待の中に、神様の力が働いていると信じて神様の期待に応えながら、日々を歩んで行ければと思います。

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