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2018年7月 1日 (日)

教会便り7月号

身を守る

 司祭 セバスチャン 浪花朋久

近年、老後破産という言葉をよく耳にします。定年退職した後、自分の貯金では生活できないことに気づく方が多い、とのことです。それまでは「何とかなる」と思っていても、現実は想像以上に費用がかかるために何ともならなくなってしまう。現代を生きる私たちは、昔に比べて自分の身を守る必要が高まっていると言えるのかもしれません。しかし自分だけを守っていると、今度は他者との関係を煩わしく思うこともあります。「自分さえ良ければ、それで良い」という考え方です。

富を積む

 新約聖書『ルカによる福音書』12章でイエスは、次のようなたとえ話を語られます。ある金持ちが倉庫に入らないくらいの収穫を得ました。金持ちは考えた末、持っている倉庫を壊して新しい倉庫を建てることで、収穫した作物や自分の財産を全部しまって「これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と自分自身に語ります。しかし神は、この行動を見て「愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか」と金持ちを叱られます。自分の身を自分で守る行動を取った金持ちのどこに問題があるのでしょうか。不正をするわけでもなく、自分の努力で築き上げた財産で生活することに何の問題があるのでしょうか。この金持ちの唯一の間違いは、他者を見ずに自分しか見ていないことです。私たちは、必ず死にます。しかし死後の世界まで自分の富を持っていくことはできません。つまり自分自身を救うことはできないのです。天に富を積む方法は一つです。それは、自分が助けられる範囲で人を助けることです。

人助けとは、一方通行ではありません。困難な状況になると、今度はその恩を感じた人々が助けてくれます。この様にして私たちは、互いに助け合うことで天に富を積み、自分の身を守ることができるのです。

真の身の守り方

 喜びは独り占めするのではなく、誰かと分かち合う。同じように苦しみも誰かと分かち合えれば、苦しみは少し減ります。私たちは、この様にして他者と共に身を守ることができるのです。イエスは、人々が幸せになれる世界を実現するコツとして「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」(マタイ7:12)と語られました。これが神から私たちに与えられた「身の守り方」なのです。

 

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