« 2020年1月の礼拝・行事予定 | トップページ | 伝道区合同礼拝 »

2020年1月 6日 (月)

教会便り1月号

誤解

  司祭 セバスチャン 浪花朋久

 発明家のアルフレッド・ノーベルは、1866年にダイナマイトを発明しました。ダイナマイトは、採掘作業や土木工事の安全性向上を目的として発明されました。しかし1888年、ノーベルの兄が逝去した時にフランスのある新聞社は、ノーベル本人が逝去したと勘違いして「死の商人、死す」と題した記事を掲載しました。そこには、ノーベルが短時間で大勢の人を殺害する方法によって富を築いたと記されていたのです。これを目の当たりにしたノーベルは、自分の遺産の全てを、人類に貢献した人々へ授与する賞を設立するために用いることにしました。それがノーベル賞です。ノーベル賞は、ノーベルの思いが世間に誤解されたことから始まったと言えるのかもしれません。

誤解という真実の恐怖

 私たちは誤解したりされたりすることがあります。誤解は、人々の心の中に真実として記憶されるので、それを解くにはかなりの時間と労力が必要となってしまいます。日本でも未だにキリスト教が、「怪しい宗教」と誤解されることがあります。誤解している方の中には、誤った理解が与えられた可能性もあります。つまり発信する側が正しいことを伝えないと、誤った情報が真実として広がってしまうのです。

 聖書や聖公会で用いられている『祈祷書』ができた理由も、誤解を広めないことが一つの理由です。文字の読み書きができる人が少なかった時代、人々の伝達手段は「口伝」でした。そのため伝える側が、誤解してしまう危険もありました。そこで聖書や祈祷書の著者たちは、キリスト教が誤解されないために、文字に記して後世に伝えようと考えたのです。文字に残された聖書や祈祷書は、時代が変わっても本質は変わりません。しかし今度は、解釈する側に問題があると誤解を広めてしまうという事態が生じました。そのため教会では牧師だけでなく、信徒も誤解を与えないように訓練される必要がでてきたのです。

新しい1年の始まり

 誤解は、する側もされる側も傷つけることしかありません。誤解を与えないようにするために、私たちはよく考え、よく祈る必要があるのです。2020年が誤解のない1年となりますよう、お祈り申し上げます。

« 2020年1月の礼拝・行事予定 | トップページ | 伝道区合同礼拝 »

3.牧師より」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2020年1月の礼拝・行事予定 | トップページ | 伝道区合同礼拝 »